リターゲティング広告とはなにかを勉強してみる
Line
2011/12/21(水)

最近、どこのサイトに行っても同じ広告がでてくるんだけど・・・あたしだけ?

「ああ、それリタゲされてんだよ」

「リタゲ?」

「リターゲティング広告の略。USではリマーケティングっていうんだけどね。」

「なにそれ?」

「ターゲティングとマーケティングのさきっちょに『リ』がついてんの」

「『リ』?もう一回ってこと?」

「そうそう。ものわかりいいね。たとえばとあるオーガニックのハンドクリームのウェブサイトがあるとするだろ?そこのウェブサイトを開いたとする。で、いろいろ商品をみるんだけどその時はなにも買わないでブラウザを閉じちゃったとする。」

「うん」

「実はここでウェブサイトを訪れたときに、君のブラウザには『このウェブサイトを訪問しました』っていう印がつけられているんだ。」

「え、そうなの?」

「そのウェブサイトのオーナーとしてはもう一度ウェブサイトに来てほしいよね。そしてできれば商品を買ってもらいたい。『訪問しました』印がついてる人にだけ広告を出すんだ。つまり『一度でもウェブサイトに来たことがある人にだけ広告を出したい』っていう要望を形にしたのがリターゲティング広告の本質なんだ。」

「なんかすごいね」

「一度でも来てくれたってことは興味が深いはずなんだ。少なくとも一度もウェブサイトに来てくれてない人よりはね。広告を出す人はできるだけ少ない広告費でたくさんのお客さんを誘導したいって考えてるからこの仕組がいま大ウケしてるわけ。」

「そうだったんだ。でもどのサイトに行ってもハンドクリームの広告ばっかり出てきちゃうと逆にうっとおしくてウンザリしちゃうんじゃないの?ポポポポーンも最初は良かったけど、見せられすぎて『しつこい!』って思っちゃったもん。」

「そうそう。それが問題にもなってる。『しつこく』ならないようにしないといけないんだよね。やりすぎたリターゲティング広告はストーキング広告って言われたりもしてるんだけどね。解決策もすでにあるんだ。リターゲティング広告を同じ人に何回まで見せるかを制御できるんだ。『1日あたり3回まで』とかね。」

「へえ。たしかに『カラオケ行こうよ』って1日20回も誘われたらウザすぎて『絶対行かない』ってなるもんね。」

「まあ、そんな感じかな」

 

・・・

リターゲティング広告ってなに?

最近、本格的にリターゲティング広告が流行しています。流行ってるということはそれだけ売れているということなんですね。さっきの会話でもあったように「どのサイトに行っても同じ広告が出るんだけど・・・」状態になってる人が日本で、世界中で続出しています。まったくターゲティングしない広告(ノンターゲティングといいます)よりも高い値段(CPCとはなにかを勉強してみる)で販売されています。

 

ここでリターゲティング広告の意味・定義を確認してみましょう。

 

複数サイトの広告枠をまとめて、あらかじめネットワークを形成しておき、過去に広告主のサイトを訪問した消費者がそこにアクセスした際、広告主サイトへの再来訪を促すための表示をする広告手法。一度サイトを訪問したものの、その後購買などの行動に至らなかった消費者に働きかけることで、成約率の向上を目指す。一度購買などに至ったものの、その後離れてしまっていた消費者の再取り込みにも使える。訪問履歴の有無については、クッキーなどを使って判別していく。
行動リターゲティング広告:ビジネス用語辞典 | Wisdom

 

つまり「見込み顧客様!またきてね!広告」ということですね。

より現場に即して言えば、先にノンターゲティングでバーっと広告を配信して、クリックから誘導したランディングページにリターゲティング用のビーコンを埋め込んでおいてマーキングするっていうタイプもあります。これは新たに立ち上げたサイトなどに有効です。反応してくれた人にだけ再度ターゲティングをしかけていくという動きをさせます。こうすることでやみくもにノンターゲティングで予算を全消化したり、広告を出す側が想定したセグメントに対してターゲティングするよりもいい効果を得ることができます。

 

よくあるリターゲティング広告のキャンペーン構成:

  • 予算の60%をノンターゲティング広告として配信
    • クリックしたユーザーをマーキングする
  • 残りの予算をリターゲティング広告として配信
    • クリックをした履歴のあるユーザーをターゲティング

 

一定期間内に7回接触すると心を許してしまう法則

さきほどの会話で、リターゲティングでの追いかけ過ぎはかえって見込み客に嫌われてしまう、とありました。いまはまだリターゲティング広告の発展途上期なのでたしかに「これは追いかけすぎてるな」というリターゲティング広告が散見されます。追いかけすぎず適度に追いかけるという制御が必要になってきます(恋愛と同じですね)。同一ユーザーに任意の期間で何回まで広告を露出させるかと制御する広告配信機能をフリークエンシーコントロールまたはリーセンシーコントロールといいます。この機能は広告配信の標準機能としてほとんどの場合、搭載されているのでこの機能を適切に設定して配信を行うことになります。

 

では、何回接触するのがいいのでしょうか?

 

これについては諸説あって、あくまでも配信してみて商品が実際に売れた回数(コンバージョン数といいます)を計測するなどして、パフォーマンスを測りながら調整していくのが基本となります。

とはいえ、初期設定をどうするかというのは各自のセンスによるところになってしまうのですが、少し古い資料ですが参考までに下記のような研究結果があります。

 

バナー広告のフリークエンシーが7回までは、接触回数が多ければ多いほど、リンクしているサイトへのアクセス率は高くなっています。1回だけ表示した場合のアクセス率は3.5%であるが、7回表示した場合には10.4%まで高まっています。8回を超えるとサイトへのアクセス率は横ばいになります。バナー広告が7回画面に表示されてもリンク先のサイトにアクセスしない人の場合、8回以上表示させてもアクセスしないと言えるでしょう。言い換えると、8回以上の接触があるようにバナー広告を出稿しても、サイトアクセスという効果は7回接触の時と同じになるため、8回以上の接触があるような出稿は無駄とも言えます。
バナー広告のフリークエンシーは7回が最適 | 野村総研

 

あくまでユーザーに認識されるレベルでの露出回数を元にした研究結果なので、ファーストビューに入っていない可能性が高いのであれば、8とか9とかに設定するのも有効です。

ちなみに恋愛においても、ターゲットとなる異性に対して電話やメール、顔を合わせるなどの機会を短い期間内に7回行うと、ターゲットの異性の日常に入り込めると言われていますね。このあたりはきっと人間のコミュニケーション特性なんだと思います。

 

リターゲティング広告は案外奥が深く、上記以外にも下記のトピックがあるのですがこれらについてはまた別の機会に勉強したいと思います。それでは。

  • リターゲティング広告のコンバージョンレートが高い本当の理由
  • 追いかけないで! 〜オプトアウトとDO NOT TRACK〜
  • ECサイトとの相性の良さを生かした進化版リターゲティング広告