USのカオスマップにあって日本のカオスマップにないカテゴリー
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2011/12/29(木)

カオスマップってなに?

カオスマップとは言わばオンライン広告の業界地図です。

オンライン広告市場は、入れ替わりやM&Aなど変化が激しく、かつカテゴライズしづらいので全体像を把握するのがとても困難なのですが、こういった業界地図が作られるようになり全体像を把握する大きな助けとなっています。

今日は、オンライン広告業界にいる人なら一度は見かけたことのあるこのカオスマップについて勉強したいと思います。

それではどうぞ。

USのオンライン広告カオスマップ

USの投資家 Terence Kawajaさん作成のカオスマップです。イメージをクリックすると大きくなります。

DISPLAY LUMAscape – slideshare

カオスマップという名称からもわかるようにゴチャゴチャしていてまさにカオスです。

以下、作者であるTerryさんからのコメントです。

The latest LUMA Display Ad Tech Landscape is a living document. While it is impossible to categorize companies across an industry into discrete categories, this is at least an attempt to organize the landscape. If you have constructive suggestions, please email them to me at tkawaja@lumapartners.com.
DISPLAY LUMAscape – slideshare

『このドキュメントは最新のアドテク業界という生物を表現したものだから、直すべき箇所があればメールくれ』、と個人のメールアドレスを提示するほどの気合いの入りようです。

日本のオンライン広告カオスマップ

セプテーニ近藤洋司さん作成のカオスマップです。イメージをクリックすると大きくなります。

Ow.ly – Landscape_1024_ver2.pdf uploaded by @hirohirokon (Hiroshi Kondo (近藤洋司))

USのカオスマップに比べてさっぱりしています。カテゴリーの数も少なくてサービスの数も少ないのがわかります。

スケールアウトもマップ右下の『アドサーバー』カテゴリーにしっかりと載せていただいてます。

セプテーニ近藤さんありがとうございます。

USのカオスマップにあって日本のカオスマップに存在しないカテゴリー

ふたつのカオスマップを見比べて、USのカオスマップにあって日本のカオスマップに存在しないカテゴリーを列挙してみました。

  1. Retargeting
  2. Verification / Privacy
  3. Tag Management
  4. Media Planning and Attribution
  5. Measurement and Analytics
  6. Media Management Systems
  7. Ad Operations

注:両カオスマップ作成時点からだいぶ時間が経過していることもあって、たとえば日本でも『Verification/privacy』はコムスコアジャパンがadxposeを取り扱っていたりしますが、ここでは詳細については略させていただきます。

それでは、各カテゴリーについてひとつひとつ見ていきたいと思います。

1. Retargeting

リターゲティングです。

USでは、サーチワードを専門にしたリターゲティングやECサイトなどリテール(小売)を専門にしたリターゲティング企業が登場しています。日本でもリターゲティング広告は馴染みの深いものになってきていますが、あらゆるカットから専門リターゲティング企業がUSでは登場しています。

2. Verification / Privacy

ベリフィケーション・プライバシーです。

インプレッショントラッキングピクセルによって、ブラインドネットワークでもどこのサイトにディスプレイ広告が露出したかをトラッキング可能にしたり、ディスプレイ広告上にオーバーレイでオプトアウト機能を付与するなどプライバシーを保護サービスです。日本よりもネットワーク化が進んでいる分、透明性についてのニーズが高くベリフィケーションサービスが成立しています。また、日本よりもターゲティングが進んでいる分、プライバシー保護がサービスとして成立しています。

3. Tag Management

タグマネジメントです。

ピギーバック(piggyback(ピギーバック)を勉強してみる)をフルに利用してタグ管理をサーバーサイドですっきり一括管理してくれるタグマネジメントがUSではいち早くカテゴリーとして成立しています。アドテクの種類が増えれば増えるほどタグの種類は増えていきます。キャンペーンが増えればコンバージョンやリターゲティング広告のためのセグメントタグが増えていきます。そのタグをサーバーサイドで一括管理するサービスです。主要なアドテク事業者のタグは網羅されており、安全性・信頼性が担保されています。第三者配信サーバーと組み合わせて利用するのが相性がいいですね。

4. Media Planning and Attribution

メディアプランニング アンド アトリビューションです。

アトリビューション分析の結果を元に、DSPやサーチ、e-mailマーケティングのチャネル配分プランを立ててくれるサービスです。各社、グラフィカルでわかりやすいUIと最適化アルゴリズムを武器に競争をしています。サーチに特化したり、オンラインとオフラインをマージして分析をするなど得意分野が異なっています。

5. Measurement and Analytics

メジャメント アンド アナリティクスです。

解析に加えて大規模調査や解析・調査結果を元にしたブランドリフトアップのためのディスプレイ広告配信制御などを行なっています。データ勝負の時代に突入したことで買収が激しく行われているカテゴリーです。

6. Media Management Systems

メディアマネジメントシステムです。

オンライン広告に加えて、テレビ・新聞・ラジオ・雑誌・交通広告なども管理できるマネジメントシステムです。トレーディングデスクを兼ねていたり、クリエイティブ制作も兼ねる企業もあります。ワンストップでメディアを管理できるというのがバリューです。

7. Ad Operations

アドオペレーションです。

Adwordsに流れて行ってしまうような小さな広告主でも気軽に利用できる、メディア自身の広告販売システムを提供するサービスです。「広告掲載資料はこちら」や「媒体資料」のリンクではなくて、「キャンペーンを入稿する」ボタンを代わりに設置しよう、という試みです。純広告をオンラインで受注、管理するUSらしいサービスです。

 

いかがだったでしょうか?

USのようにカオス市場になりつつある日本のマーケットでどういうポジションをキープして、どのパートナーと手を組むか、そしてどういうジョイント事業を立ち上げるかのヒントが、USと日本のカオスマップ比較には隠されているのではないでしょうか。

今後も引き続き、カオスマップをベースに勉強していきたいと思います。それでは。

※なお、社名について敬称は略させていただきました。