iOS 6で変わるID事情
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2012/10/10(水)

先日iPhone 5が発売され、お祭りムード冷めあらぬ今日この頃ですが、皆さん如何がお過ごしでしょうか?

iOS 6については、世間では地図アプリが話題になっていますが、広告事業者にとっては、とても重要な機能追加がありました。

iOS 6でUDIDに変わるAdvertising Identifierが追加されました。

今日は、iOSのID事情について考えてみます。

 

背景

まずはこれまでのiOSにおけるID事情について簡単に振り返ってみます。

iOS初期のスマホ広告では、トラッキングするためのIDとして、UDIDがよく使われていました。

(実際には取得してもスマホ広告はPCに比べ、広告主がまだ少なく、トラッキングしてもユーザにマッチした広告を出せる事業者はあまり多くないという別の話しもありますが。)

 

UDIDは、セキュリティの脆弱性の問題もあり、iOS 5より取得が非推奨となりました。

そのため、世界中の広告各社がOpenUDIDやSecureUDIDもしくは、macアドレスなどのデバイスに紐づくIDを暗号化したIDなど、よりセキュアでトラッキング出来るIDを模索する時代が続いていました。

そんな状況の中、広告事業者にとっては、念願ともいえるIDがiOS 6 から追加されました。

 

特徴

特徴としては、以下があります。

  • オプトアウトすることが出来る

iOS 6では、Advertising Identifierを利用している事業者に対して、「一般>情報>アドバタイズ」からオプトアウトが出来ます。「Ad Trackingを制限」をオンにするとIDが利用されなくなります。

これまでUDIDなどでは、端末の機能として実現出来なかったことを考えると大きな進歩です。

  • 初期化時などにIDが再生成される

IDが再生成されるため、端末を売却して別の人が使うことになった場合でも以前の利用者に紐づいたターゲティング広告が表示されるようなことがなくなると考えられます。

  • スーパークッキーである

スーパークッキーであるため、アプリやアプリベンダーをまたいだ分析などが出来ます。

 

問題点

現段階でAdvertising Identifierは必ずしも完璧ではないようです。

問題点としては、以下のことが挙げられます。

  • IDがユーザ任意のタイミングで削除、もしくは変更出来ない

オプトアウトが出来るとはいえ、IDがスーパークッキーであることを考えるとユーザが任意のタイミングで簡単にIDの削除もしくは変更が出来ることが望ましいです。

  •  端末でトラッキングを制限していてもIDが取得出来てしまう

IDの取得は、事前にステータスを確認して、トラッキングを拒否していなければIDを取得するような形式になっているため、ステータスに関係なくIDを取得することが出来ます。そのため、ユーザのステータスとは関係なくIDを取得する悪質な業者が現れる可能性があります。

まとめ

広告業界にとって、今回のID追加は大きな進歩です。iOS利用者にとっても、各広告事業者が今回のIDに対応すれば、オプトアウトを一括で行うことが出来るようになり利便性が向上します。現状では、事業者毎にオプトアウトが必要で、かつ利用者が表示されている広告がどの事業者のものなのか判断することが難しいため、実質的に機能しているとはいいがたい状況でした。

今回追加されたIDにはメリットも多いですが、問題点も残されており、今後のAppleのアップデートに期待したいところです。

また現状ではIDの取得は、広告事業者のマナーに任せられており、各広告事業者がユーザの信頼を失わないように行動する必要があります。

最後は偉そうなまとめになってしまいましたが、以上となります。