アドテク業界予測2013(スケールアウト調べ)
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2012/12/25(火)

1. アドロジスティクス最適化

DSP、SSP、アドネットワーク、アドエクスチェンジ、第三者配信サーバーの林立によって、複雑かつ何重にも積み重なっている広告配信経路が最適化されていきます。iframeが5重になっているなどカオスな広告配信の現状を分析・最適化し、最短経路を選択するような配信経路をインテリジェンスに選択していくソリューションが登場します。分析にはアドベリフィケーションが担当する広告配信経路トラッキングが重要な役割を担います。

2. 「データアドバタイジング x アトリビューション」成長期

ファーストムーバーの広告主およびメディアに牽引されるかたちで、データアドバタイジングがアトリビューションとともにさらに成長期を迎えます。2012年はアトリビューションやデータアドバタイジングに熱心だったのは主にデマンドサイドでしたが、サプライサイドであるメディアのファーストムーバーにより、データアドバタイジングが一気に成長していきます。ファースト評価、ラスト評価、Uシェイプ評価などアドサーバーが集計するアトリビューションモデルもある程度メジャーなものが選別されていき、代理店・トレーディングデスクごとに得意なモデルと配信コントロールが浮き彫りになっていきます。これらを実現するスタッフと広告システムが必要不可欠になってくるのは言うまでもありません。

3. 代理店にサービスストラテジスト職が誕生

いままで商品企画部が行なっていたような業務をさらに進化させ、提案・企画などサービスそのものを戦略的に構築するサービスストラテジスト職が必要になります。アトリビューションに代表される多種多様なレポーティングのスタイルの中からどういうスタイルを自社で採用するか、どのように細かく配信コントロールを組み立てるか、予算の再配置はどのようなポリシーで行うか、などの自社のスタイルを決定して、他社との差別化を図ることをミッションとした職で構成されるチームが構築できるとベストです。単純な広告配信、から、データアドバタイジングへ、という現場チーム構成の変化が起こります。

4. 代理店オペレーションの再定義

上記、2と3を実現する機能を代理店が担当するわけですが、キャンペーンオプティマイズは自動化できても、予算の再配置についてはいまだ自動化できず、分析結果に応じて、人のノウハウがものを言う余地というのは2013年中は残り、各代理店の腕の見せ所となります。予算の再配置をどう提案していくか、また、そもそもの配置をどう提案していくか、が重要となります。

5. アドテクノロジー系ベンチャーが続々登場

2012年に少なからずキーマンの人材流通が発生したため、2012年中にあまり顕著ではなかったアドテクノロジー系ベンチャーの登場が2013年は期待できます。また、RTBという新たなエコシステムが登場したことや、データアドバタイジングが実現できるインフラが出揃っていることも、新規参入を加速させる要因となります。アドテク事業を誕生させるにあたり、プライバシーについての留意が依然、必須であることは業界において、周知の事実となっているので不意に企業が突然死することも少なく済む見込みです。

6. アジア・パシフィックの売上が総売上の2割を支えるまでに成長

グローバライズを着実に行なってきた企業がAPACからの売上を収穫できる時期になる見込みです。日本企業がオーストラリアやシンガポール、香港に拠点を置くアドテク企業と同様にAPACを舞台として事業展開するようになります。これは、APACリージョンにおけるデバイスの浸透とオンライン環境の整備が大幅に進むことが大きな要因です。また、広告システムおよび統計システムの多言語対応、多通貨対応、多タイムゾーン対応などの国際化が必須の機能要件として認識されるようになります。

7. 中国発アドテクノロジー系ベンチャーの日本参入

中国で急速に成長している中国アドテク界から成龍が日本へ参入してきます。親中の日本企業と親日の中国企業によるジョイントランディングが間近に迫っています。スケールしたシステムインフラをビジネス環境として成長してきた中国アドテク界のベンチャー企業が高単価を求めて日本市場へ参入してきます。Criteoがフランス発だったことを考えると、外資企業による日本でのスムースな事業展開は可能性として低くない環境にあります。

8. スマホインベントリの高品質化

誤クリックによるクリックの膨大化や過剰ローテーションによるインプレッションの膨大化などの、スマホインベントリが抱える課題を真正面から解決する事業者が現れ、スマホインベントリの高品質家が徐々に行われていきます。Googleに牽引される部分も少なくありません。また、新しいクリエイティブ表現なども登場し、320×50の静止画(CTR0.5%)などの固定イメージが創造的破壊により過去のものとなります。

9. ファンクション分割による分社化

すべての事業を1社で包括して展開するのが限界を迎えます。事業収支切り分けの明確化や取引の正常化などが主な狙いによるものです。例えば、メディア事業とデマンド事業を分社化したり、第三者配信事業を別会社に切り出すなどの分社化が行われます。また、資金調達の観点からも有利に働くため、アドテクのスタートアップなどが分社化を財務戦略的に行うなども散見されるようになります。

10. オンラインデバイスの増加とネットワーク化によるインベントリ成長

ハードレベルでは、スマートデバイスのさらなる普及と多様化がなされ、次々とオンラインに接続し、3スクリーンならぬnスクリーンでのユーザー同期が進んでいきます。インベントリの数量(グロスインプレッション)も純増し、同期がなされることによる高級化も実現されていきます。

 

 

いかがだったでしょうか?

完全な思い込みかつ偏見に基づく業界予測(注:いわゆるあてずっぽうです)であることを前提において、読んでいただければと思います。それでは、来年もどうぞよろしくお願いいたします。